用語集

人事評価・360度評価の用語集

人事評価の制度設計と運用で使う13の用語を、20〜300人の会社の人事担当者が実務で使う意味に絞って定義しました。それぞれの用語について、一般的な定義、実務での注意点、ChordOne Performance の画面ではどこに現れるかを添えています。

人事評価の制度設計や運用で使われる言葉を、20〜300人の会社の人事担当者が実務で使う意味に絞って定義しています。各用語には、ChordOne Performance の画面ではどこに現れるかを添えました。詳しい手順や考え方は、それぞれの用語から お役立ち記事 に進めます。

人事評価制度

社員の成果・行動・能力を、あらかじめ決めた基準と手順で評価し、処遇や育成につなげる会社の仕組みです。

人事評価制度は、①何を評価するか(評価項目)、②どの重みで見るか(配点)、③誰がどの順番で評価するか(評価フロー)、④結果を何に使うか(昇給・昇格・育成)の4つで構成されます。制度そのものの良し悪しより、「基準が本人に見えているか」「上司が誰でも同じ結果になるか」が納得感を決めます。

ChordOne Performance は、この4つのうち①〜③を「今の制度のまま」設定し、配布・回収・集計・計算の手作業を引き受ける位置づけです。制度の作り方は 中小企業の人事評価制度の作り方、不満が出る原因は 人事評価への不満の原因と対策 を参照してください。

MBO(目標管理制度)

期初に本人と上司が目標を合意し、期末にその達成度を評価に反映する目標管理の方式です。Management by Objectives の略です。

MBO では、達成できる水準の目標を置き、達成率をそのまま評価点に結びつけることが多いため、目標の難易度をそろえる工程(上司間のすり合わせ)が重要になります。半期・年次で回し、目標は本人と上司の間で共有される運用が一般的です。

ChordOne Performance では、評価シートの目標を「表」形式の質問(目標・指標・ウェイト・達成度)として組み、目標ごとの達成度と重みで集計することで MBO を運用できます。MBO 専用の既成テンプレートは用意していません。OKR との違いは OKRとMBOの違い にまとめています。

OKR

定性的な目標(Objective)と、それを測る数個の指標(Key Results)で組織の方向をそろえる目標管理の方式です。Objectives and Key Results の略です。

OKR は四半期など短い周期で見直し、目標は全社に公開され、意図的に高い水準を置くため達成率100%を前提にしません。この性質から、OKR の達成率をそのまま処遇に結びつけると、社員が安全な目標しか立てなくなります。評価に使う場合は、達成率ではなく「目標への取り組みと成果の質」を上司が評価する形にするのが一般的です。

ChordOne Performance では、評価サイクルの標準の流れに含まれる会社目標→部門目標→目標入力→目標承認の段階と、「目標リスト」形式の質問(部門目標との紐づけ・指標)を使って OKR を運用できます。OKR 専用の既成テンプレートは用意していません。方式の選び方は OKRとMBOの違い を参照してください。

コンピテンシー評価

高い成果を出す人に共通する行動特性を基準として定義し、その行動がどれだけ見られたかで評価する方式です。成果そのものではなく行動を見ます。

成果は市場や担当顧客の影響を受けますが、行動は本人の裁量で変えられるため、コンピテンシー評価は「成果が出るまでの過程」を公平に見る目的で使われます。等級ごとに求める行動の水準を定義しておくと、昇格の判断にもつながります。項目が抽象的になりやすいので、「良い例」「不足している例」を添えるのが定義のコツです。

ChordOne Performance では、評価シートのひな形「能力と姿勢」(発揮した能力・仕事への向き合い方)を起点に行動評価のブロックを組み、行動ブロックだけを等級別に出し分けることもできます。等級との結び方は 等級制度の設計と等級定義の作り方 と 等級ごとの昇格基準の作り方 を参照してください。

360度評価

上司だけでなく、同僚・部下など複数の立場の人から対象者へのフィードバックを集める評価手法です。多面評価とも呼びます。

上司1人の視点では見えない「同僚から見た協働のしやすさ」「部下から見たマネジメント」を補う目的で使います。処遇に直結させると回答が忖度や報復を含みやすくなるため、育成目的で使い、通常の評価点には加えない運用が多数です。匿名にするか記名にするかは、会社の規模と文化で決めます。

ChordOne Performance の360度評価は、本人が同僚に依頼する方法と管理者が対象者・質問を決めて一括で依頼する方法の両方に対応し、回答者名を本人に表示しない匿名設定ができます。回答は本人と管理者だけが見られます。ツールの選び方は 360度評価ツール比較 を参照してください。

キャリブレーション(評価調整会議)

一次評価が出そろったあと、複数の評価者と人事が評価を並べて見比べ、評価者の甘辛や部署間のばらつきを調整して最終結果を確定する会議です。

同じ「B」でも厳しい上司の B と甘い上司の B は中身が違います。この差をそろえる工程がキャリブレーションで、目的は分布を正規分布に寄せることではなく、「同じ水準の仕事が上司の違いで別の結果にならない」ことです。上司が5人を超えたら、毎期60〜90分で入れることを推奨します。

ChordOne Performance のキャリブレーション画面は、対象者の評価と部署別の分布を並べて確認し、最終結果の候補を確定する構成です。調整中の点数は本人に非表示にできます。進め方は 評価のキャリブレーションとは、事前に評価者の目線をそろえる方法は 評価者研修の内容 を参照してください。

評価サイクル/フェーズ

半期・年次など、評価を1回まわす単位が評価サイクルです。その中の目標設定・自己評価・上司評価・キャリブレーション・最終結果といった段階をフェーズと呼びます。

評価サイクルを単位として考えると、「今期は誰が対象で、どの評価シートを使い、各段階の締め切りはいつか」が1つのまとまりになります。フェーズごとに締め切りを置くことで、未提出の追いかけが「メールで全員に催促」から「未提出の人だけに連絡」に変わります。

ChordOne Performance では評価サイクルに名前を付けて作成すると、標準の流れ(目標設定→自己評価→上司評価→キャリブレーション→最終結果)の下書きができ、段階ごとの期間をタイムラインで管理します。開始すると本人と評価者の「自分のタスク」に提出物が届きます。詳細は 機能一覧の評価サイクル を参照してください。

評価シート/質問ブロック

評価者や本人が記入する評価の様式が評価シートです。評価項目を評価軸ごとにまとめた単位が質問ブロックで、ブロックの中に個々の質問(評価項目)が並びます。

表計算で作った評価シートは、行が評価項目、列が配点や自己評価・上司評価に対応していることが多く、この構造はそのまま「ブロック(評価軸)→質問(項目)→形式と重み」に置き換えられます。ブロック単位で職種・等級ごとの出し分けや、段階ごとの閲覧範囲を設定できるのが、ファイル運用との大きな違いです。

ChordOne Performance の評価シートは複数の質問ブロックで組み立て、質問の形式は文章・数値・選択肢・複数選択・コメント付き選択・表から選びます。表計算ファイルを無設定で自動取り込みする仕組みではなく、項目・配点・流れを質問ブロックに整理し直す初期設定が必要です。手順は 評価シートをシステムに移す手順 を参照してください。

ウェイト(配点)

評価軸や評価項目ごとに置く重みです。総合点を出すときに、成果40%・行動30%・成長30%のように各項目の影響度を決める数値です。

ウェイトは制度のメッセージそのものです。成果に60%を置けば「結果を出す人を高く見る会社」、行動に50%を置けば「過程を大事にする会社」になります。職種や等級で変えることも多く、営業職は数値目標のウェイトを高く、マネージャーは育成・組織づくりのウェイトを足す、といった設計が典型です。

ChordOne Performance では、ブロック・質問ごとに重みを設定し、回答から総合値を自動で計算します。標準の流れの下書きには目標①〜③のウェイト(40/30/30)と S〜D の点数対応が入っており、そのまま調整できます。配点の決め方は 評価項目と配点の決め方 を参照してください。

等級/役職/職種

等級は期待する役割・能力の水準を表す段階、役職は組織上の職位、職種は仕事の種類です。3つは別の軸で、社員にはそれぞれ個別に割り当てます。

「課長だから等級 M1」のように役職と等級を一体で扱うと、ポストが埋まっている優秀な人を処遇できず、逆にポストの都合で等級が上がる人が出ます。等級は本人の水準、役職は組織の必要、職種は評価項目を分ける単位、と切り分けると、評価・昇格・給与の説明が一貫します。

ChordOne Performance では等級・役職・職種を「定義」として一度登録すると、社員情報と評価シートで同じ内容を使え、設問を等級・役職・職種ごとに出し分けられます。社内の定義ファイル(CSV・PDF・画像)から候補を作り、確認して選んだ内容だけを反映できます。詳しくは 等級制度の設計と等級定義の作り方 を参照してください。

最終結果の呼び方(S/A/B など)

評価サイクルの最後に確定する総合的な評価の名称です。S/A/B/C の記号や「期待を上回る」などの語で表し、段階数と総合点との対応を会社が決めます。

呼び方は納得感に直結します。「C」は数字の順位に見えて低評価の烙印になりやすい一方、「期待どおり」「改善が必要」のような語は、何を意味するかがそのまま伝わります。段階数は3〜5が一般的で、真ん中の段階を「期待どおり(役割を果たした)」と定義し、そこに多くの人が入ることを前提にすると、中心化傾向の議論を避けられます。

ChordOne Performance では最終結果の段階数・名称・総合値との対応を会社で定義し、評価シートや本人への公開時にその呼び方がそのまま使われます。最終結果は評価者が選ぶ方法と、回答から決める方法の両方に対応します。呼び方の設計と納得感の関係は 人事評価への不満の原因と対策 を参照してください。

評価者バイアス(ハロー効果・中心化傾向)

評価者が無意識に持つ判断の偏りです。目立つ一点が全体に波及するハロー効果、中央の段階に集めてしまう中心化傾向、全体が甘くなる寛大化傾向などがあります。

ハロー効果
1つの目立つ長所(または短所)の印象が、関係のない他の項目の評価にまで波及すること。
中心化傾向
差をつけることを避け、5段階なら「3」に評価を集めてしまうこと。
寛大化傾向・厳格化傾向
評価者全体として甘い(または厳しい)方向に偏ること。上司間の甘辛の主因。
期末誤差(近接誤差)
評価期間の終わり近くの出来事が、期間全体より強く評価に影響すること。

バイアスは「気をつける」だけでは減りません。評価項目ごとに行動事実を書いてから点をつける、期中に記録を残す、評価者間で同じケースを採点して差の理由を話す、といった手順で抑えます。研修での扱い方は 評価者研修の内容、会議での調整は 評価のキャリブレーションとは を参照してください。ChordOne Performance では、キャリブレーション画面で評価者別・部署別の分布を並べて見られるため、寛大化・厳格化の偏りを確認する起点になります。

評価面談/フィードバック

確定した評価結果とその根拠を本人に伝え、受け止めを聞き、次の期の目標や支援を合意する上司と本人の面談です。評価サイクルの最後の工程です。

評価面談は「結果を通知する場」ではなく「根拠を説明し、次に何をするかを合意する場」です。面談の質は、期中にどれだけ事実が記録されているかと、最終結果の根拠が上司評価のコメントに残っているかで決まります。低い評価を伝えるときほど、事実→影響→期待の順で話し、人格ではなく行動に焦点を当てます。

ChordOne Performance では、上司評価のコメントと確定した最終結果が同じ場所に残り、段階ごとの閲覧範囲で「最終結果と面談コメントだけを本人に公開する」制御ができます。面談の準備・進め方・言い方は 評価面談の進め方 を参照してください。

この用語集の使い方

用語の定義は一般的な意味を優先し、会社ごとの呼び方(「等級」を「グレード」、「最終結果」を「総合評価」と呼ぶなど)は制度文書の側で対応表を作ることをおすすめします。ChordOne Performance では最終結果の呼び方や等級名を会社の言葉で定義できるため、社内の呼称を変える必要はありません。制度全体の作り方から知りたい場合は 中小企業の人事評価制度の作り方 から、運用の重い部分を減らしたい場合は 機能一覧 と 料金 をご覧ください。